みどりの中に光る絹の町川俣
トップページ > 昔ばなし > 昔ばなし > ほえどに助けらっちゃ話(女のものもらいとじいさまの話) > ほえどに助けらっちゃ話(女のものもらいとじいさまの話)(現代語版)

ほえどに助けらっちゃ話(女のものもらいとじいさまの話)(現代語版)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あるところのじいさまが、
焼きおにぎりを作ってもらい山仕事に出かけました。
途中でボロ、ボロの着物を着た女のものもらいが苦しんでいました。
じいさまは知らないふりをして通り過ぎましたが、
(女のものもらいを)かわいそうに思いもどりました。
(女のものもらいにじいさまが、)聞いてみると腹がへって苦しくて動かなかったそうです。
じいさまは持っていた焼きおにぎりを全部くれてやりました。
ものもらいはなみだを流して喜んで、
「なにもお礼する物がないが、こんなもので良かったら持っていってください。」
と、一握りのもぐさをよこしました。
「なにもいらないよ。」
と、じいさまは言いましたが、せっかく、よこしたものだからと貰って山に行きました。

じいさまは焼きおにぎりをあげてしまったので、なにも食べないで仕事をしていました。
夕方帰ってくる時は、フラ、フラして遅くなって真っ暗になってしまいました。
とうとう道に迷って帰られなくなってしまい、
見つけた洞穴に入って明るくなるまで野宿することにしました。
すると、奥からオオカミのような気味の悪いうなり声が聞こえてきて、
じいさまは恐くなってきましたが、オオカミは火が嫌いなことを思い出して、
腰から火打道具ともぐさを出して火をつけました。
それでも少しばかりのもぐさでは、直ぐ無くなってしまいました。
心細くなってしまいましたが、そのとき、今朝ものもらいからもらったもぐさを思い出し、
それを夜明けまで燃やしていました。
それで、オオカミは襲って来ませんでした。
夜が明けたのでじいさまは、そこから逃げてやっと家に帰ってきました。
火が燃えていたのでオオカミも追いかけてこれなかったのでしょう。


[表示切替]
モバイル | | トップに戻る