みどりの中に光る絹の町川俣
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法印とキツネ(法印(山伏)とキツネの話)(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、南平(なんぺい)の奥さ古ギツネが住んでおったど。
時々、里さ出てきでは村人を化かしておったんだと。
ほの南平さ法印さまが一人して行をして暮らしておったど。
あっ時、山ん中で法印さまが、
古ギツネが気持ちぜえそうに昼寝してんの見つけで、
いたずらしてやっペとなってキツネの耳もとさ、
ほらの貝押っつけで思い切りブッーと吹いたど。
すっとキツネはぶったまげちまって、山ん中さ逃げでってしまったど。

夕方、法印さまが中島んとこさ通りかかっと、
あるぜえがてえへんにんにゃかで、踊りや唄が聞えできたど。
ひとづのぞいてやっペとなってない、
節めど探してぜえの周りをぐるっと回って、
やっとちゃっこい節めどみつげてのぞいだら、
とたんに、おもいきりけ飛ばさっちゃど。
気がついたら田んぼのまん中さおっころばさちていたど。
ほして、村の人が集ばってきで、
「法印さま、なじょして馬の尻めどなんかのぞかっしゃ。」
って聞かっち、
「あの古ギツネめ、おらこと化かしたな。」
って言ったど。

川俣 佐藤 庄吉


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