みどりの中に光る絹の町川俣
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かしけえ坊さま(かしこいお坊さんの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、ある坊さまが行脚の途中で、
まずしいさびれた村さ通りかかったど。
村の人たちはみんな顔色が悪く元気がなかったど。
坊さまは村の人たちを助けてやっペと思って、
誰もいねえ破れ寺さ住みつくことにしたんだと。
いろいろ考えてな、村の人さ信仰心と働く気を起させねばなんねえと、
あることを考えついたど。
坊さまは道ばたさあったでろだらけの古い石の地蔵さまを見つけで、
ある場所さめどほっこじって底さ村の人からもらった大豆をたんといっち、
ほの上さ地蔵さまのせで土をかぶせておいだと。
入梅の節が近づいた頃、坊さまは村の人を集べで、
「毎晩、休んでから夢の中に石の地蔵さまが出できて、
長い間土の中さ埋めらっちいたが、やっと表さ出られるようになった。
寺の西の方で頭もっちゃげて出てくっから、お堂を作って供養してけろ。
ほして、一生懸命信仰すれば暮しもぜえようになって、
村も栄えるってお告げがあった。」
って、聞かせたど。

入梅になって何日かたった時、
埋めた場所が地割れして石の地蔵さまの頭が出てきたど。
村の人は坊さまの夢は正夢だったどおったまげて、
早速お堂を建てで供養し坊さまを尊敬したど。
村人は坊さまからみ仏の教えと、働くことのでえ-じなことを聞かせらっち、
何年もただねえうちに村は栄え、暮しもぜえようになったど。
石の地蔵さまは大豆が雨でふくっちない、持ち上げらっちゃんだげんじも、
ほんとにりごな坊さまだったと。

川俣 佐藤 庄吉


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