みどりの中に光る絹の町川俣
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キツネのお礼(おじいさんとキツネの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あっとこに、じいさまとばあさまがあって、
じいさまは、毎日畑さ仕事さいってたど。

あっどき、ばあさまはこじはんに、団子作って持だしてやったど。
じいさまは畑仕事してぜえあんべになったんで、
団子ひろげでくっでたら団子が一つ、
コロ、コロって転んでじゃったど。
拾うど思ったら、ひとりでコロ、コロころがっていっちまうんで、
「団子どん、団子どん、どこさ行ぐ。」
って言ったら、
「せど(背戸)の山まで行ぐ」
って、コロ、コロころんで行ぐんで、
仕方ねえがら追っかげでったら、
穴の中さコロ、コロとへえっちまったど。
じいさまは、
「団子一つ、損しちまった。」
ってけえってきたど。

次の日また仕事さ行ったら、キツネっ子が出てきて、
「じんつぁん、じんつぁん、昨日、団子うんとうまがった。
おとっつぁんに、お礼してぇがらつっちこって言わっちゃがら、
えでくんちぇ。」
って言わっちゃんで、いっしょに穴ん中さへえってったら、
キツネの巣あってない、うんとごっぞうになってない、
土産もらってけえってきたんだと。

川俣 佐藤 庄吉


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