みどりの中に光る絹の町川俣
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マムシとワラビ(一匹のマムシとワラビの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

ポカ、ポカとあったけえ春の日、日あたりのぜえ土手んとこさ、
一匹のマムシが夢をみながら昼寝しとったど。
マムシはごいら息つまっほどの痛さと、
今にも死んじまうんでねえがと思うほどの苦しさに襲わっちゃど。
おったまげてよくみっと、チガヤの先っぼのとんがらがってとこが、
マムシの腹つんぬいでどんどん伸びてたど。
マムシは苦しくて体動かして抜くべと思ったが、気は遠くなっペしな、
なじょ-もすっことできなかったど。
すっと腹の下がちっとずつ持っちゃがってきて、
チガヤの先っぼまで上がりスポッと抜げて、
マムシはぢべたさバタンと落ちちまったど。
よく見っとワラビがグン、グン伸びて、マムシを持っちゃげて育ってたんだと。

マムシは喜んじゃってワラビさお礼言ってな、
これがらおめぇの言うことなんでも聞くがらって約束したんだと。

ほんじゃがらがなんだか知んねげんちょも、
マムシの皮むいで赤裸にしたもんにごみついだら、
なじょに洗ってもこすっても落ぢねえが、
ワラビの葉っぱでこすっとおったまげるほどうっつくしくとれっと。

川俣 佐藤 庄吉


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