みどりの中に光る絹の町川俣
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お福と節分(欲ふかい金持ちの話)(現代語版)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、あるところに、欲ふかい金持ちの人がいました。
たくさんの奉公人やお手伝いを雇っていて、夜も昼も働かせていました。
お手伝いの中にお福という女の子がいました。

毎年、節分になると、その家のだんなさまが大きな声で、
「鬼は外、福は内。」
と豆まきをしていました。
そのときお福は外にいて、「福は内。」と(だんなさまが、)いったとき、
「福が入ってまいりました。」といって、家に入ることになっていました。
毎年、寒い夜に外に立って待っているのが、
お福はいやでいやで仕方なかったけれども、
だんなさまからいわれているから仕方がありませんでした。

ある年の節分の夜、いつものように豆まきが始まって、
「鬼は外、福は内。」
とだんなさまが大きな声でいったけれどもお福が入ってこないので、
「福はどうした。どうした。」
と、大きな声でお福のことを呼びました。
すると、家の中にいたお福が、
「只今、家の外に出るところでございます。」
と、外に出て行きました。
お福は夕方にいいつかった仕事ができなかったのと、
寒い外に出るのがいやだったのでしょう。
外に出るのが遅れてしまいました。
入ってこなければならないお福が、「福は内。」で、外に出ていってしまいました。

それから、その家は不幸が続いて、貧乏になってとうとうつぶれてしまいました。


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