みどりの中に光る絹の町川俣
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うば捨て山(孝行息子と母の話)(1)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかしは六十になっと、
うば捨て山さ置いでこなかなんねがったど。
あっとこに、親孝行な息子があってない、
どうしても親を山さなんか置いでこらんねがらって、
座敷の下さめど掘って、かぐしておいたんだと。
あっどき、殿さまがら、
「あぐで縄もじったがな持ってきたもんに、褒美をやる。」
って言わっちゃんで、なじょしたらでぎんのかなぁど思って、
床下にかくしてだおっかぁに聞いだと。
「てえらな石の上で縄燃せば、あぐで縄もじったがなできる。」
って言わっち、そのとおりにして持ってっで見せだと。
「なじょして、こういうふうにできたんだ。」
「実は床下さかぐしてだおっかぁに教しえらっちゃんだ。」
って言うと、殿さまは、
年寄りはいろんな経験してっがらなんでも分がってる。
大切にしなきゃなんねってごとになって、
ほれがらうば捨て山をなぐしたんだと。

小綱木 佐藤 トミ


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