みどりの中に光る絹の町川俣
トップページ > 昔ばなし > 昔ばなし > ばかでも総領(あほな総領息子の話) > ばかでも総領(あほな総領息子の話)(2)

ばかでも総領(あほな総領息子の話)(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あるぜえさ、太郎、次郎、三郎って言う三人息子があったど。
むかしがら、「ばかでも総領」っていうが、
太郎は頭がわりいっていうが、人がぜえすぎるっていうが、
親がらみっと心もとねんで、知恵試ししてみっペと思っでな、
「おめえだち、今日一日暇けっから、
山さ行っでも川さ行っでも、海さ行ってもぜえがら、
一年中で一番長ぐ伸びだの取ってきたもんさ、しんしょゆずっでやっペ。」
って出してやったど。
次郎と三郎は、本気になって何か長いもの探すべど歩ったが、
総領の太郎は土手のかげで昼寝してたど。

次郎は一年で一番ずうっと伸びんのは竹のようだと思って、
竹を取ってきたんだと。
三郎は一年で一番伸びんのは梅の木より他にねえべと思って、
梅の木取ってきたんだと。
総領の太郎は何考えだが、もっくり起きで山さ行きもださ入って、
藤のつる取ってたんがってきたど。
比べてみだどころが、藤が一番長がったんだと。
「ばかでも総領」っていうのは、ほれがらでだそうだ。

大綱木 管野 佐吉


[表示切替]
モバイル | | トップに戻る