みどりの中に光る絹の町川俣

団子むこ(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、ばかなむこさまがあったど。
しゅうとさまさご年始さ行っだら、
しゅうとさまのぜえでうめえ団子出してくれらっちゃど。
うめえがらない、うんと食べだんだと。
「せなさま、うんと食べで、ゆるっと休んでいがせよ。」
って言わっちゃがらない、あらまし食べちまったんだと。
すっと、しゅうとおっかぁさまがまたつくってくっちゃんで、
団子もらってけえって来たど。

途中まで来たんだげんちも、掘このっ越えっとって、
団子ころげ落ぢっちまってなぐなっちまったと。
名めえ忘れっちまうど思って、
「団子、団子、団子、団子、団子、団子。」
って、やって来たど。
ほしたら、またずない堀こあったがら、
「どっこいしょ。」
って、のっ越えたんだと。
ほしたら団子がどっこいしょになっちまって、
「どっこいしょ、どっこいしょ。」
って言いながら、ずうっとぜえさけえって来たんだと。
「おめえのぜえさ行って、どっこいしょ食わせらっち、
うんとうまがった。けえりしなにもらってきたが、
落ぢちまって拾わねで来たがら、こしゃってけろ。」
って言ったんだと。
「どっこいしょって、なんだ。」
って嫁こが言ったど。
「あれ、どっこいしょだったもんな。食ってぎたの。」
って、ばかむこが言うんだって。
ほしたら、なんがしてけつまずいて、
ボコンとたんこぶでぎたんだと。丸こくない。ほして、
「ああ、その、団子だった。」
って気づいて、
「団子こしゃってけろ。」
って、嫁こさ言ったんだとさ。
こんで、ざっとむかしはさ-がえだ。

川俣 菅野 サノ


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