むかし、むかし、ばかなむこさまがあったど。
しゅうとさまさご年始さ行っだら、
しゅうとさまのぜえでうめえ団子出してくれらっちゃど。
うめえがらない、うんと食べだんだと。
「せなさま、うんと食べで、ゆるっと休んでいがせよ。」
って言わっちゃがらない、あらまし食べちまったんだと。
すっと、しゅうとおっかぁさまがまたつくってくっちゃんで、
団子もらってけえって来たど。
途中まで来たんだげんちも、掘このっ越えっとって、
団子ころげ落ぢっちまってなぐなっちまったと。
名めえ忘れっちまうど思って、
「団子、団子、団子、団子、団子、団子。」
って、やって来たど。
ほしたら、またずない堀こあったがら、
「どっこいしょ。」
って、のっ越えたんだと。
ほしたら団子がどっこいしょになっちまって、
「どっこいしょ、どっこいしょ。」
って言いながら、ずうっとぜえさけえって来たんだと。
「おめえのぜえさ行って、どっこいしょ食わせらっち、
うんとうまがった。けえりしなにもらってきたが、
落ぢちまって拾わねで来たがら、こしゃってけろ。」
って言ったんだと。
「どっこいしょって、なんだ。」
って嫁こが言ったど。
「あれ、どっこいしょだったもんな。食ってぎたの。」
って、ばかむこが言うんだって。
ほしたら、なんがしてけつまずいて、
ボコンとたんこぶでぎたんだと。丸こくない。ほして、
「ああ、その、団子だった。」
って気づいて、
「団子こしゃってけろ。」
って、嫁こさ言ったんだとさ。
こんで、ざっとむかしはさ-がえだ。
川俣 菅野 サノ
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