むかしは花塚山のきっペ沢さは、みんな馬さ乗って朝草刈りさ行ったもんだ。
ある朝、山家(やまが)の人たちが馬さ乗って行ったどこさ、
山から大木戸の人たちが、青い顔して急いでけえってくっとこに出っくわしたど。
「青い顔してなじょ-した。」
って言ったら、
「オオカミに追っかけらっち逃げてきだ。一緒にけえった方がぜえ。」
って言わっちゃが、聞かねえで山さ行ったど。
その後でオオカミさ出会ったようだったど。
みんな鎌の柄が折れてオオカミに食い殺さっちたど。
そん中で牛ころし(※)の木で作ったもんだけ、折れでなかったつうんだな。
ほんで、ほれからは鎌の柄さ牛ころしの木使うようになったんだと。
※牛ころし=かまづかの異名。
飯坂 本田 沢治
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