みどりの中に光る絹の町川俣
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ヘビむこ入り(ヘビと娘の話)(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、あっとこに、
じいさまとばあさまと、息子とその嫁っこが住んでおったど。

むかしは自分のぜえ(家)で機織りしとったでな。
嫁っこは毎日、カラットン、カラットン、機織っていたど。
そして夕方になっと、ぜえの下の井戸さ行って手桶さ水くんで、
てんびん棒で運んでだど。
むかしは井戸はぜえより下にあっでな、
ほれも、てんびん棒で手おけさ汲んでおったでな、てえへんだった。

ほうして、いつからか分んねけんじも、
水くみさ行くとわけえ男が、毎日来とんのに気が付いたど。
嫁っこはおがしねなと思ったけんじも、毎日水及みさ行ったど。
そのうちだんだんおっかなくなり、顔色が悪ぐなってきたど。
ばあさまが気が付いで、
「なじょした。体のぐえ-でもわりいのか。」
って開くと、嫁っ子は、
「毎日水くみさ行ぐと、わけえ男が来とっで、おっかなぐてしょねんだ。」
って言ったど。
すっと、ばあさまは、
「ほんじゃ、針をわけえもん(者)のたもとさ、そっと入っちやれ]
って、おせえでやったど。
嫁っ子は言わっちゃどおりに、わけえ男のたもとさそっと針を入っちやったど。
すっと、男はごいら苦しみだし、血を流しながら山の奥の方さ行っちまったんだと。
その跡さそろっとくっついて行ってみっと、ずないずない蛇が死んでおったどさ。
大蛇がわけえ男に化けとったんだ。
ほれがら、わけえ男はばったり来なくなったど。
ほして、まもなくその嫁っ子は蛇のおどっこ生んだっつんだな。

だから女の人はな、山さ行ぐ時は鎌と針と持って行ぐとぜえって言わっちきたんだ。
蛇さ針が毒なんだと。

西福沢 菅野マサエ


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