みどりの中に光る絹の町川俣
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ほら吹きくらべ(ほら吹き親子の話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、ある村さてーへんなほら吹き親子があったど。
あんまりずないほら吹いていで、
有名になって京の都まで聞こえでいったど。
ほんで、京の大ほら吹きが腕くらべやっペとなってやってきたんだと。
その日はちょうどおどっつぁは留守で、
わらしが一人で留守番してたんだとな。
京のほら吹きが残念だといったら、そのわらしが、
「おらでぜがったら。」
といったら、
「おどっつぁはどこさ行った。」
って聞かっちゃんで、
「おどっつぁは、セセリ(※)のなみだの池のメダカ取りさ行った。」
っていったど。
京のほら吹きは、あんまりちっちぇんでおったまげちゃって、
もっとでかいほらできねえがといったんで、
「今、おら、天と地を団子さ丸めで、手のひらさのせ、
のみ込んだところさ、おめえがきたんだ。」
っていったんで、このわらしでさえ、こんなほら吹くんでは、
このおどっつぁはどんなもんだがとおっかなぐなって、
早々に逃げてけえっていっちまったど。

※セセリ=小形ちょうの総称

川俣 佐藤 庄吉


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