むかし、むかし、ある村に大変なほら吹き親子がいました。
あまりに大きなほらを吹いていたので、
有名になって京の都にまで聞こえていきました。
それで、京の大ほら吹きが腕くらべをしようとやってきました。
その日はちょうどおどっつぁ(おとうさん)は留守で、
子供が一人で留守番していました。
京のほら吹きが残念だといったら、その子供が、
「おら(私)でよかったら。」
といったら、
「おどっつぁはどこに行った。」
と聞かれたので、
「おどっつぁは、セセリ(※)のなみだの池のメダカ取りに行った。」
といいました。
京のほら吹きは、あまりに小さいのでびっくりしていまい、
もっと大きなほらできないかといったので、
「今、おら、天と地を団子に丸めて、手のひらにのせ、
飲み込んだところに、あなたがきたのです。」
といったので、この子供でさえ、こんなほら吹くのでは、
このおどっつぁはどんなものだかと恐くなって、
早々に逃げて帰っていってしまいました。
※セセリ=小形ちょうの総称
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