みどりの中に光る絹の町川俣

ホトトギスと兄弟(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、兄弟があってない。
おっかぁさまが
「これけぇ。」
って、こずはんの用意してでくっちゃど。
しゃではあんちゃさうまいどご残して食ったんだど。
ほしたらあんちゃがけえってきて、
「おめえ、おらよりうまいどこ食ったべ。」
って言ったど。
「ほでね。あんちゃさぜえどこ残して、おら悪りいどご食ったんだ。」
って、言っても聞かねんだと。
「ほんじゃ、腹ぶっつぁいで見せっから。」
って、腹ぶっつぁいで見せだら種ばっかし残ってだと。
ほんで、しゃではホトトギスになって、
「ぽっとぶっつぁげだ。ぽっとぶっつぁげだ。」
って、今でも鳴いでんだと。

羽田 長沢 マサ


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