みどりの中に光る絹の町川俣

ホトトギスと姉妹

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あっとこに、
ままかかぁがあってわがのわらしはでえじにするが、
先妻のわらしことはつらく当ったんだと。
先妻のわらしは気立てが優しいもんだから、
義理の妹さはぜえもんやってたんだと。
ところが妹はおっかぁ似で根性悪りぐで、
ことごとに姉っこさつっかがってだと。

あっとぎ、こずはんにさつま芋のあでがわっちゃんだと。
姉は妹さうまいどこ食わせっペって、
はしっこ食って妹さまん中のぜえどこ残してだが、
妹は根性悪りいがなで、
「姉はんはうめどこ食って、おらさこんなどご残してだ。」
ってくってかがったど。
姉はこでえらんで
「ほんじゃ、おらの腹の中さ何へえってっかぶっつぁいで見せっから。」
って、腹ぶっつぁいで見せだどころ、
芋のはしっペの方きりへえってながったど。
妹は姉はん殺しじまったど。
姉はホトトギスになっで、
「ぽっとぶっつあげた。オタタカショ。」
って鳴いてんだと。

川俣 佐藤 庄吉


[表示切替]
モバイル | | トップに戻る