むかし、ある人が古峰神社参りに行って、
ご祈祷がすんでお神酒が出た時のこと。
お国自慢のつもりで、
「私の村(で、つくられる)の古地上の酒はもっとおいしい。」
と言ったら、給仕をしていた人が、
「ちょっと、待っていてください。」
と言って、部屋から出ていってしまいました。
しばらくたってから、その人は手に酒を持って(部屋の中に)入ってきて、
「古地上の酒って、これでしょう。」
と言って、(酒を)ついでくれました。
間違いなく古地上の酒でした。
おまいりに行った人は「不思議なこともあるんだな」と家に帰ってから、
酒屋に行って聞いてみました。
すると、
「あなたが酒をご馳走になっている頃に、
みなれない小僧が徳利持って酒買いに来たのはおぼえている。
あなたがあんまり(古地上の酒を)自慢するから、
古峯が原の天狗が確かめに来たのでしょう。」
と言われたそうだ。
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