みどりの中に光る絹の町川俣
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孝行むすことタラの木(孝行むすこの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あっとこに、
親孝行なむすこと、とっしょったおとっつぁと二人暮しのぜえがあったど。
毎日二人して仲よく木切っだり、炭焼いだり山仕事さ行ったど。
ほのうち、おとっつぁは腹さでき物わずらってなくなっちまったど。
むすこは夜も休まねえで看病し、
ぜえ薬があっと聞くと早くさ行っても買ってきて飲ましてたど。
ほんでも、なくなっちまったんで、
むすこはほのでき物憎むようになってきたど。
ほんで、おとっつぁの腹からでき物とって、
そして、たばこ入れの根付け(※)作ぐって夜、昼、火の点いだきしぇるで、
親のうらみ、思い知れってただいていたど。

ある日、山仕事さ行っでたばこ入れと一緒にそばの木さかけておいたど。
一服休みでたばこ吸うべと思っだら、
ねえんでよく見だら根付けなぐなって下さ落ぢてたど。
よぐみっと根付けがとけてしまったんだと。
おかしねーことあるもんだと木みだらタラの木だったど。
タラの木が腹のでき物さ効くんだべかとためしてみだら、
腹の病気さ効くことが分がったど。
ほんで、今でもタラの木の根の皮取っで、
干して町さ持って売ってんだと。

※根付け=タバコ入れを腰に下げる時、
落ちないようにそのひもの端につける細工物。

川俣 佐藤 庄吉


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