みどりの中に光る絹の町川俣

まま子話

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、むかし、あっとこに、ままかかあがあったんだと。
わがのおどっこができたっつんでな。
先のわらしごど邪まになってきたんだと。

ある日、井戸掘ったら、水が出ねえもんだからな。
「新しい井戸見さいんべ。」
って、わらしせでって、井戸さつっころばしたんだとさ。
「助けてけろ。助けてけろ。」
って、泣き叫んでるうぢに、風吹いできて、
紙がパラ、パラっとおっこちてきたんだと。
わらしは指かみ切って手紙を書いで、スズメに頼んだとさ。
「おとっつぁんこういうどこさ行ってっから、助けてけろ。」
ってない。
おとっつぁんはそんどき、女郎屋さ行って酒飲んでだんだど。
スズメは手紙をくわえでって、
「チュー、チュー、チュー、チュー。」
って、うんと鳴いだもんだがら、
何事できたんだべとみんなと出てみだら、
おとっつぁんどこさパラ、パラって、紙おっことしてよこしたど。

おとっつぁんはいそいでぜえさきて、帯ほどいで下げてやって、
わらしこと助けてやったんだとさ。
こんでざっと昔はさ-がえだ。

川俣 菅野 サノ


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