みどりの中に光る絹の町川俣
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餅は化け物(女神山のばかむこの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、女神山さちっとあほなわけえもんがあったんだと。
嫁こもらっで正月に、
「ご年始さ行ってこ。」
って言わっち、嫁このぜえさ行っだら、
ペターン、ペターンって餅つきやってたど。

ほしたら、わらしらが寄っできてあぶねえもんだがら、
「おっかねぞ。おっかねぞ。」
って言ってついでだど。
わけえもんはほんとにおっかねんだと思ってない、
たまげで見でだんだと。
つき終ってがら、丸めであんこさ入っちない、
おっかぁさまに出さっちゃんだと。
おっかねもんだと思っでがら、じいっと見でばがりいだんだと。
みんなペロペロ、ペロペロうまそうに食ってんだげんちも、
わけえもんはおっかねって教せらっちゃがら、
うんとおっかねもんだど思って、
「せなさま、せなさま、いっペえあがらっせ。」
って言わっちも、食べねでみんな座布団の下さあげちまっだど。

ほして、土産に重箱さない、丸め餅十三入っち風呂敷さ包んでもらっで、
けえってきたんだと。
ずうっと来るうぢに棒あったんで、おっかね餅だと思っでがら、
棒の先さ風呂敷包みの先さひっかげで、ヒョッコ、ヒョッコって来だら、
ドサーンと風呂敷とげで落ぢちまったど。
重箱のふたがあがって、中の白い丸め餅ガシャガシャになっちゃったど。
ほれ見で、
「白い歯向げで、おらさかかる気が。」
って、かついでだ棒持っで、
餅ごとペタペタ、ペタペタ、ペタペタとただいちゃっで、
でろだらけにしちまったど。

川俣 菅野 サノ


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