南山のばかむこが、正月、おがだと二人して、しゅうとさ行ったんだど。
しゅうとおどつぁんが、このむこ、ばかだと聞いでだが、
なんぼばかだが試すべど思って、酒という字を書いで、
「これ読まれっか。」
って、出したんだと。
おがだはおどっつぁに恥さらしたぐねえど思って、
「おめえの好ぎなもんだ。おめえの好ぎなもんだ。」
って、げすっペだつづいだんだど。
ほしたらむこは、げすっペだつづがっちゃもんだがら、
おがだの下のもんのこと言ったんだと。
飯坂 三浦 伊吉
[表示切替]
| | トップに戻る