むかし、八木(ばちぎ)のこすずってとこさ一軒のぜえがあったど。
そこにいだ女の人が火の種なぐなって、隣のぜえさ貰いさくっどき、
オオカミが何か食って骨はさんで、
取んにゃくて苦しんでっとこさ出会ったんだと。
はさまってなんぎしてたんで取ってくっちゃら、
けえりがけたオオカミは振りけえって、しばらくじっとみてたど。
ほんどきはそのままにして、火種貰っでぜえさけえって来たど。
そごさ、その晩、馬を持ってきてくちゃもんがあったど。
オオカミがお礼に持ってきてくっちゃもんだっべっていわっちゃど。
ほんでも、馬はなんぼがおっかなかったんだべ。
なんぼ扱っがってもふとんねじまったど。
馬はあお手の馬だったど。
山木屋 大内 安尚
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