みどりの中に光る絹の町川俣

三人のくせ(三人のくせの話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あっとこに、
しょっちゅう両そでつかんで体ほろぐ奴と、
しょっちゅう鼻をこする奴と、
しっぎりなしにまなぐこすっでるめくちゃがいだと。
みんなにわらわれっし、
みだぐねえがらこれがらやんねえことにすっペとなっで、
一回やったら酒一升買うごとにきめたんだと。

ところが、三人とも我慢してだが、
体ほろぐ奴がどうにも我慢でぎなぐなっで、
「むけえの山がらイノシシが、ノソリ、ノソリとむがって来た。」
って、両そでつかんで体ほろったど。
ほしたら、鼻だらしが、
「ほんじゃ、てえへんだ。ズドーンと一発、仕とめねぎゃなんねえべ。」
って、ズドーンと鉄砲ぶつまねしで、鼻こすったど。
すっとめくちゃが、
「イノシシの子がなんぼが悲しかんべ。」
って、まなぐこすったんだと。

川俣 佐藤 庄吉


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