みどりの中に光る絹の町川俣
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天から降った金(かね)と地にある金(かね)(じいさんと小判の話)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、あっとこにない、
正直なじいさまと、欲のふけえじいさまが隣合って住んでだど。
正直なじいさまは、いつも、
「天から降った金は授かりもんだから、使ってもぜえが、
地にある金は誰かが落したもんだから使えね。」
って言ってだど。
あっ時、正直じいさまが道を歩いてっと、
道ばたに金のへえったかめがあんのを見づけたが、
地にある金は使えねど、拾わねでけえって来たど。
その話を聞ぐと、隣の欲ふけえじいさまは、
さっそく拾いさ行ってかめの中をのぞいで見っと、
おそろしい人間の生首が入ってたど。
欲ふけえじいさまはカッ、カッと、ごせやいで持っでけえって、
正直じいさまのぜえの煙出しから放りこんだと。
すっと、生首は小判に変ってぜえの中さざらざらと降って来たんだとさ。
正直じいさまは喜んで、
「これは天から降った金だから使ってもぜえ金だ。」
って近所の人さも分げでやって、楽しく使ったど。

秋山 八巻 正


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