みどりの中に光る絹の町川俣

前世の報い(2)

印刷用ページを表示する掲載日:2012年7月1日更新

むかし、ある神社の改築工事の時だったど。
人夫の中さ、油売ってばかしいるたれかと、陰日向なく働くが、
親方にごしゃかっちばかりいるもんがあったど。
ほんで、給金は同じだったんだと。
こんな不公平な話があっかど、親方さ言ったら、
「おらそんなことわがんねえ。
みな同じに払えって言わっちから、文句あっこったらたゆ-さまさ言え。」
って言わっち、たゆ-さまさ聞いたんだと。
「おめえたち二人は、めえ-の世にここの神さまがでぎっどき、
おめえは牛方でたれかもんは牛だった。
牛はぜえ(材)木運んだり、石運んだりして、一生懸命稼いだが、
その牛をひっぱたいたりして、こき使ったのがおめえの前世だ。
ほれがこの世で報いどなって出たんだ。
罪滅ぼしに稼ぐように生まれできたんだから、仕方ねえんだ。」
って言わっちゃど。

川俣 佐藤 庄吉


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