みどりの中に光る絹の町川俣

川俣 春日神社

印刷用ページを表示する掲載日:2012年3月29日更新
  • 町指定有形文化財 拝殿・本殿・摂社
  • 町指定天然記念物 大ケヤキ

所在地:福島県伊達郡川俣町字宮前37番地

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春日神社の写真

春日神社は、嘉祥3年(850年)伊達家の祖である山蔭中納言藤原政朝卿により、奈良の春日大社よりこの地へ勧請されたと伝えられる。小手26郷(註)の惣社として古くから信仰されてきた。

社殿は江戸時代中期、享保16年(1731年)に工を起し、同20年(1735年)に上棟、元文5年(1740年)に完成、遷宮したもので、すべて信達二郡の氏子の協力により造営された。階下の石の鳥居はその記念に建てられたもので、東柱正面に文字が刻まれている。

社殿は三間社の流れ造りで、入母屋に千鳥破風、唐破風を配した堂々たる建物である。拝殿内部は外陣と内陣にわかれており、内陣には中央に春日四所明神を祀る本殿、左右に相殿として天照皇太神と八幡武大神を祀る摂社の三神殿がある。いずれも流れ造りの一間社で、享保18年(1733年)江戸で作られ当地にはこばれたものである。社殿・神殿ともに、虹梁や欄間および木鼻などにほどこされた飾彫刻とその彩色は、江戸時代中期の寺社建築の様式や技術を知る上に貴重なものであり、また当時の達南地方の文化的水準の一端を伺う上にも重要である。

一方社殿階下の御供殿(長床)は、旧社殿の古材を用いて建てたというが詳細は不明である。寛政8年(1796年)に建てられた簡素な建造物である。祭礼日に神事(十二膳献饌等)に用いられる。町民にも親しまれている建物である。

境内にはスギ、イチョウ、カヤ、ケヤキ、ツバキなどの古木が多く、見事な社叢を作っている。なかでも御供殿南側の2本のケヤキは、目通り5.2m、高さ34m(東側)と同4.4m、29m(西側)の大木で、社叢を代表する神木とされている。

註) 小手26郷とは次の旧村をさす 町飯坂・在飯坂・鶴田・松沢・町小綱木・在小綱木・大綱木、東五十沢・西五十沢・大久保・飯野・立子山・青木・羽田・小神・秋山・上小国・下小国・大波・御代田・下糠田・布野川・上糠田・下手渡・小島・上手渡(信達一統志による)。


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